10.地域とWebの繋がり

 
 現在、秋田県横手市において“Twitterで町興し”という方向での企画が進行し始めています。
 まだ始まったばかりで、様々な問題はあるようですが、12/30本日Ustreamでの会議放送を行ったり、ハッシュタグ(#yokote,#yokotter)などを利用しての意見交換など積極的な活動が行われています。こうした、町づくり活動にTwitterを使っていくという方向性は今まで見たことが無いものなので、今後どのように発展していくか、とても楽しみにしています。
 個人的な考えとしては、Webと地域の繋がりというのは今後一層の強化が図られてしかるべきだと考えています。TVメディアの報道についてはここ数年で著しい劣化がありますし、また日本国内、更には世界各地からの情報が増えており、そもそも利益を上げなくてはいけないという商業的な意味でのマスメディアだけでは選択肢は限られているでしょう。しかしながら、東京ではいざ知らず、知識人が少ない、大学も少ないというような地方では、そういった情報を手に入る手段は限られており、その中でWebは強い力を持っていると思います。逆に、ローカルな話題を全国的に発信する手段としてもWebは大きな効果を発揮するでしょう。例えば、町づくりの一環として現在主に挙げられている観光についてWeb広報は有効でしょうし、特産品の販売なども通販形式で可能です。
 また現在、既に“広告は当り前”となっています。どんなメディアにおいても、そこらじゅうに広告があり、そのデザイン性などのクオリティ競争はかなり激しいものです。その中で、モノとしての広告ではなく、ヒトが広告になるのではないか、という論説が出てきています。口コミや人気ブロガーなどといった言葉に表されるように、CMではなく人が広告媒介となっている、ということですね。自分としても、実際に商品も広告も溢れ過ぎている今、何かを購入する際には信用ある方の意見を参考にしたりすることは多いです(また、商業的広告では発信できないイロイロなことも掴むことはできますね(笑))。そういった形で地方も、丁寧に丹念に、また面白くやっていくことで、十分に通用する地域の情報発信が可能なのではないか、と思います。
 横手の活動に関して言えば、Twitterでリアルタイムに現地の情報観光者などに対して発信していく、というアイデアが出されていますが、これは実際にいちいち市の観光課に行ったり、実際に現地人に案内を頼まなくても良いため、現地賛同者が増えさえすれば面白いアイデアだと思います。そのログをまとめたり、観光客がブログなどにまとめることによって、立派な横手観光のパンフレットにもなるかもしれませんね。

 ということで、由利本荘も何か考えなくてはいけないなあと思うのですが、まだTwitter上で由利本荘の方と強いつながりがあるわけではないので、また別のアプローチの仕方も考えていこうとは思います。今考えているのは、由利本荘の観光地や特産品に纏わる実際の生活を、もっと多くの人にWebで発信してもらいたい、というものだったりします。そもそも観光にせよモノを売るにせよ、由利本荘ってどんなところなんだろう、という疑問に対して、面白いレスポンスを返してから、だと思いますので。デジタルカメラなどのツールも普及し始めているので、色々な実際の由利本荘切り取り方はありそうですよね。


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 以下、Twitter上からのまとめ、ということで、今回のUst中継「第1回ツイッター横手の街おこし会議」を見ての意見となります。関係者の皆様、若輩ものが偉そうなこと言って大変申し訳ないですが、こういった意見もあるよということで見て頂ければ幸いです。今後とも同県の活動として、積極的に応援させて頂きます。

  • 会議進行について
    • マイクが遠い感じなので改善希望。或いは個々人にマイク回して喋ってもらったりなど良いのではないか。
    • Ust中、TLとの関連を持たせるのであれば、TLを追って面白い意見をピックアップしておく担当がいればいいのではないか。
    • 広く意見を募集したい場合は議題を設ける、講演会や報告会的に詳しい情報を口頭で述べるとしてレポートを別にアップする、などの下準備は必要。
    • Ust中継は思ったよりも難しそうだが、使いこなせばきっと面白い。Twitterに限らず他のWebサーヴィスなどと組み合わせることで、通常の会議や講演会よりもはるかに有意義な時間を作ることができる。
  • 活動について
    • 現在、“何をしたいのか”がまだおぼろげなのではないか。まだ始めたばかりだからということもあるが、今後、参加者/協力者を広く募っていく際には、わかりやすく見える形で目標が欲しい。(例えば、現段階では、「こういう活動をやっているんです」と街づくり関係者に伝えにくい
    • Twitterはコミュニケーションツールであって、“まとめる”ということには向いていない。そのため、会議の議事録や、Twitter上での面白い議論などをまとめておく別のWebサーヴィスの利用を行うことで、より活動内容をわかりやすくすることができるのではないか。
    • Twitter上でのコミュニケーション”という枠を考え過ぎると、実際にWebリテラシーが不足している人たちにはやはり受け入れづらいのではないか。また、「どうしてもPCが苦手である」というような人たちが疎外される可能性もあり、その点でWeb=リアルを繋ぐ橋はどこかで欲しい。
    • Twitterをどのように利用していくかについては、現段階でTwitter自体が発展途上のツールであることから相当に難しい点もある。但し、関連書籍が数多く発行され、また津田さんのような専門家もいらっしゃるため、そういった方面での勉強会や、専門家諸氏へ助言を求めるような繋がりも必要でないか。
    • 今回のUst中継やポスターのひな型が既にできていたように、メンバーのフットワークの軽さが強い。ある程度の組織化は必要と思うが、活動が続く中でフットワークの軽さについては維持していってもらいたい。