7.個人的Twitter導入小話


 周りにTwitterに興味はあるんだけれどもどうよ、という方が増えてきましたので、ここらでひとつTwitter導入について書いておこうかと思います。これ見た機に、Twitter始めてみようと言う方が増えれば良いなあと想いをこめて。

 
■1.Twitterってなんぞ?
 Twitterアメリカ発のSNSソーシャルネットワークサーヴィス)であり、最近では「ミニブログ」とも言われたりしています。Tweet=呟くであり、140文字の中でそれぞれに思ったことを呟いてコミュニケーションを取れるようになっています。最近はメディア露出も増えてきており、2009年度流行語にも選ばれていますね。以前には現米国大統領オバマ氏の陣営が、大統領選挙中にFacebookなども含めたSNSを有効活用したことで票を得ていった、という話もあります。
 「ミニブログ」という表現を先ほど出しましたが、個人的にはTwitterはブログとチャットの中間にあるものと考えています。もっと具体的に言うのであれば、ブログのコメント欄だけ、でしょうか。140文字という制限があるため、発言者はそこまで長かったり難しかったりする文章を書くことができません。逆にいえば、発言者はそこまで深く考えたり推敲をしなくても書き込むことができますし、読者は気軽に読むことができます。また、Twitterではフォロー/フォロワーという関係で自分と誰かを繋ぐのですが、mixiなどと違ってかなり気楽にこの関係を築く人は多い状況です。有名人であれば1万人のフォロワー(フォローしてくれた人)は当然ですし、一般人の中でも1000人単位の方は多いですね。Twitterにはコミュニティ機能がそれほど強く備わっていないので、コミュニティに関わらず広くいろんな方々の発言を見れる、ということもあります。


■2.Twitter利用のメリット
 Twitterを利用する際のメリットは幾つかあります。ですが正直なところ、「これが凄いんだよ!」という確たるものは出せないと考えています。かなり簡素なシステムなので、それを使う人によっては、或いは使い方によってはメリットが変わってくるためです。
 ここでは自分が考えていたり、世間的に言われていたりするメリットを述べていきます。

▼2−1.リアルタイム速報ツールとしてのメリット
 Twitterではブログなどと違い、リアルタイムでの発言が見えています。中にはニュースや、実際に目の前であった事件などを報告している人もいるので、フォローを増やしていると自分のタイムライン(発言の流れるコラムのこと。以下、TL。)を眺めているだけで、大体のところの世の中の情勢がわかるようになります。トップニュースなどについては間違いないでしょう。
 実例として、米国のハドソン川に飛行機が不時着した事件がありましたが、その際の第一報はテレビなどのメディアではなく、Twitterユーザーだったという話があります。また、「tsudaる」という用語がありまして、これは講演会などで話されていることの要旨をそのままTwitterに流していくことです(津田さんというTwitterでは有名な方がいらっしゃいまして、その方が始めた手法なのでこういう名前になっています)。実際、このtsudaりを有効活用し、SFCでは各種講演会などを中継しており、Ustreamなどのストリーミング動画配信サーヴィスなども併用してPCの前にいながら話されている内容をチェックできたりもしています。

▼2−2.ブレストツール
 Twitterはその他のSNSと比べて気軽に発言の送受信ができるため、ブレスト、つまりブレーンストーミングを簡単に行うことができます。自分は現在、「まちづくり」というテーマで研究を行っているのですが、これに関連する提言や質問をTL上に流すと、誰かが反応してくれたりします。それに対して簡単に補足などをつけて意見交換をすることで、小さなアイデアが実は大きな発展性を持っているじゃないか、ということがわかったりもしています。実際にブログにある「6.民謡の価値」というエントリはTwitter上の会話から生まれたものであり、更にはそのエントリの告知をTwitter上で流したところ、東京エスムジカの早川大地さんからコメントをTwitterで頂いたりなどの発展までしました(有難うございます)。
 このように、ふと思いついたことを発言する。それに対してのリプライにリプライし、更に考えを深めていく、という流れが簡単にできるのです。そうして組み立てた内容を、ブログのネタとして扱うことも十分有効な手段だと思っています。

▼2−3.一体感の創造
 口ロロ(クチロロ)というミュージシャングループを皆さんご存じでしょうか?ポップスユニットであり、ここ最近かなり話題に上っているグループさんのひとつです。ちなみに先日、いとうせいこうさんが加入されましたね(笑) この口ロロの先日のライブ、「everyday is a symphony」は先述のUstreamで配信された他、ステージバックにTwitterの画面がスクリーン投影されるという会場でした。ライブ中、実際にTwitterの発言で「配信動画の音が悪い」があればそれを調整したり、ライブミュージックに反映したりなど、サンプリングを得意とする口ロロの十八番なところが効果的に出ていたと思います。そしてまた、ライブハウスにいた方々はもちろん、ストリーミングを見ながらTwitter上で発言していた方々の一体感は、凄まじいものでした。音楽という比較的わかりやすいメディアを媒体にして、"参加者"全員で新しいライブの形を作っていたと言っても過言ではないでしょう。
 また、テレビなど大勢が見るメディアにおいてもこうした状況は見られました。既に幾つかニュース記事にもなっていたと思うのですが、先月に「天空の城ラピュタ」が放映された際、Twitter上では「ラピュタついたよ!」「飯がマジで美味そう」「バルス!」などの発言が乱舞していました。これまでは2ちゃんねるなどのサイトで行われていた"実況"が、Twitter上に移り更に多数の人が同じ時間を共用するようになった、ということでしょう。ラピュタ自体に人気があったからかといえばそうではなく、誰もが知っているモノゴトを媒介に、分散化しつつある社会が、その要因のひとつであるネットワークによってまた繋がろうとした、と言えるかもしれません。
 このように、やり方や媒介によっては、Twitterは多くの人を巻き込み、一体感を作り出すことができるサーヴィスなのです。

▼2−4.ホッとするTwitter
 Twitterのひとつの要素として、前述の通り"気軽に発言できる"ということがあります。朝には「おはよう」だったり「出社」に対して「出社おつ」という流れはよくありますし、「帰宅、疲れた」には「おかえりー、お疲れ様」といったこともあります。つまりは、挨拶や日常の報告ですね。実際、筆者も独り暮らしをしていますし、色々ありましてヒキコモリに近い生活をしていたりもします(卒論の資料まとめとか色々…)。こういう暮らしの中で、日常の挨拶がどこからか来る、というのは本当にホッとできたりするんですよね。また、仕事関係にある人の間では最近の状況をお互いに簡単に知らせることで仕事の進捗を確認したりもできますし、実用的な側面もあります。
 日常の繋がりをリアルタイムで作ることができる、というのはこれまでのWebサーヴィスではそれほど見られなかったメリットではないでしょうか。


■3.細かいところのTwitter
 ここまで大まかなところのTwitterを述べてきましたが、ここでは簡単にTwitterの細かい特徴や使い方を述べていきます。まだ使い始めて日が浅いため、不足な点もあるかと思いますがご容赦ください。

▼3−1.必ずリプライする必要は無いし、全部見る必要も無い
 TwitterではSNS日記やメールのように、コメントをもらったら必ず返信しなくてはいけない、ということは無いと考えています。もちろん場合によりますし、マナー的な問題もありますが、140文字と言う制限があったり、即時性という要素や、フォロー数が増えてくるととても全てを追い切れないという問題もあります。そのため、無理にリプライする必要はありません。お互いに気軽に話すことがTwitterで上手くやるコツのひとつだと思います。
 TLを全部見る必要もありません。フォロー人数が100を超えた時点で、TL全部を見ることはかなり困難になってくると思います。そのため、Twitter中毒にならないためにも、全部見ようとは思わないようにしましょう。また、必ず伝えなくてはいけない情報はTwitterではなく、メールやブログなど別のサーヴィスを使って伝えたり残すほうが良いでしょう。

▼3−2.フォローする
 相手の発言をTLに表示できるようにすることを、"フォローする"と言います。フォローするには、フォローしたい人のページに行き、ページ上のほうにあるフォローボタンを押してください。そうすることで、貴方のTLには相手の発言が出るようになります。また、直接面識のない人でも、検索機能を活用したり、フォローした人のフォロワーリストから探すことで、新しいフォローしたい人を見つけることができるかもしれません。
 また、誰かからフォロー申請が来ることもあります。その際は相手のページに飛んで、その人のTLを確認して、よさそうだと思ったらフォローを返してみましょう。フォローを返すことは義務ではないので、そこは随意に行って大丈夫だと思います。嫌な相手から来た場合は、歯車のマークからブロックを選択することでフォローを拒否することができます。時折、スパムなどからフォロー申請が来ることもありますが、その際はブロック+スパム報告をしましょう。

▼3−3.ふぁぼる
 「ふぁぼる」という用語がTwitterにはありますが、これはFavorite指定をする、つまりお気に入り登録をするというものです。Twitterのお気に入りは人に対してではなく、post(発言のこと)ひとつひとつにつけるようになっています。これを利用してすぐには確認できないけれども重要そうなニュースをチェックしたり、格言やおもしろ発言として永久保存の対象にできます。また、ふぁぼることは相手にも伝わり、ユーザーがそれをチェックできますので、これを利用してユーザーを評価することもできます。

▼3−4.ダイレクトメッセージ
 ダイレクトメッセージというシステムは送受する人の間でしか見えないメッセージ機能です。これを利用するにはお互いにフォロー/フォロワーの登録をしておく必要がありますが、TL上に乗せられないプライベートな情報などを管理することができます。

▼3−5.ハッシュタグ
 ハッシュタグとはpostにタグをつける機能でして、post内容に「#(アルファベット表記)」と記入することで利用できます。例えばアイドレスゲームのプレイヤーであれば「#idress」とつけることで、その発言がアイドレス関係であるということを表明できます。また、このハッシュタグはリンクが張られ、これをクリックすることでハッシュタグのつけられたpostの一覧を見ることができます。ただ勿論、これは必ずつけなくてはならない、ということではありません。
 面白いところでは「#tohogu」というのがありまして、このハッシュタグログを見るとわかると思うのですが、「東北弁」でのpost群になります(笑) こうやってローカルな話題や会話を、見やすくすることも可能なわけですね。

▼3−6.RTとQT
 RTとQTはどちらも引用postでありまして、「RT @(user name): (引用文)」という形で示されます。面白かったりタメになりそうなpostはこの形で広めてみましょう。またRTとQTの違いですが、これは最近示された差異であってTwitterユーザーもそこまで徹底して使ってはいないのですが、RTは引用するだけ、QTは引用文に更に自分のコメントをつける時に使われるとのことです。ただ、まだ普及はしていないのでそこまで気にする必要は今のところないでしょう。

▼3−7.クライアント
 Twitterの公式ページ以外にも、Twitterを見てpostできるソフトがあります。これを一般にクライアントと呼びます。クライアントの中には自動的にRTを作成してくれるものがあったり、List機能を利用してフォローしたユーザーを(公式ページのひとつのコラムから)複数の別コラムにわけ、見やすくしてくれたりします。
 特にフォロー人数が100を超えてくると閲覧が大変になってきたりはすると思うので、色々と試してみると良いでしょう。ちなみに自分はTweetDeckというクライアントを使っています。


■4.最後に
 ここまでちょっと長く書いてきましたが、実際に始めてみようと思った方がいらっしゃいましたら、あせらずゆっくりと覚えていかれるのが良いと思います。最初はどんなシステムでも完璧に使いこなせるような人はいませんので。今回紹介した以外にもTwitterには関連するサーヴィスが多く、そういった方面にも手を出していくことでよりよいコミュニケーションが取れると思います。
 また、Twitterはまだ発展途上のSNSでもあります。ツールなども新しいものが出てくると思いますが、それ以前に、ひとつのソーシャル(社会)として成長していく面もあるでしょう。実際にTwitterが社会に及ぼしていく影響というのは計り知れないものがあります。そうした中にいるということも、勉強になるのではないでしょうか。
 ともあれ、本義としては"気軽に使える"ものです。まずは始めてみて、どのようなものか、どういう風に使えばいいのか、試してはいかがでしょうか?


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筆者:ツヅキモノ/ナカジマ
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