25.ジャパニーズSNSの明日はどっちだ(2010/12/07)



 mixiで、メールアドレスで友人が検索できる機能が個人情報漏えい云々という話について、ぼんやりと思ったことを。
 
 該当の機能はFacebookなどでは普通に実装されてるのだけれども、実名文化が浸透しなかったmixiで反発が起きるのは当然だろうなあ、とは確かに思う。そもそも、プライバシーポリシーを見る限りでは必要とされるユーザーの同意は取れていなかったので、運営の導入行動は論外ではあっただろう。
 しかしながら、鬼の首取ったように「個人情報!個人情報!」と叫ぶ一部の人たちにもちょっとした疑問は覚える。あそこまで徒党を組んで非難轟々と叫びたてるようなことなんだろうか。というのもメールアドレスなんていうのは本当に些細なレベルの情報であって、漏えいしたところで改変が容易、しかも最も良く登録に使用される情報なのだから漏洩の可能性が高い。そんなリスクが高いが管理コストは安い対象に、何故あそこまでこだわるのか。たぶん、そういった人たちの論点はメールアドレスではなくて、mixiの対応の悪さについて述べたいところなのだろうけれども。
 またそれとは別に、この話が広まっていく過程で、mixiにまで“ソース提示の無い拡散”が出てきたことに驚いたりもした。ソースを提示していない=内容の検証ができないという、かなりあやふやな情報である。もちろん、コピペとはいえ、その情報を再発信、拡大するのは個々人の判断であり、そこに責任は付随するだろう。もしそれが、デマであり、誰かに致命的なダメージを与えた場合、どうするのだろうか。
 などなど。
 ともあれ、mixiは実情からして“Facebookにはなれないんだ”と観念して、日本的なコミュニティ醸成についてもっと良い方向へ進むよう努力されたほうがいいのではないだろうか。一方でユーザーは、クローズドSNSに慣れ過ぎずもっと広くWebは利用していったほうが良いんじゃなかろうか(利用には学ぶことも含まれるとしたい)。どちらも、生き残りや安全を考えての行動なのだろうけれど、偏り過ぎではないかなと、そう感じた事件だった。